遺族年金(国民・厚生年金)

概要

亡くなった方がどの年金加入・受給をしていたか、遺族年金を受けられるかどうか!?を確認して、遺族が遺族年金を受けられるとしたら遺族年金がいくらもらえるのか確認が必要です。

前提条件

遺族年金とは、「養っていたいた方が大黒柱だった場合に、残された家族が路頭に迷わないようにするため」のものです。
遺族年金をもらえる範囲(一時金含む)は、「亡くなった方が生計を維持されていたこと」が前提です。

年金額と受給額

遺族基礎年金、遺族厚生年金の額は、物価や賃金などの変動に応じて毎年見直しが行われるので変更になる場合があります。
また、一度支給決定をしたからといって永遠にもらえるのではなく、支給停止や受給資格を喪失する要件があります。

平成27年度からは制度が一部変更になり、支給条件について以下の内容が追加されました。
①遺族年金を受けるためには、亡くなった日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付又は免除されていること、または亡くなった日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことが必要です。
②加入者であった方が亡くなった場合でも、老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たしている場合は、老齢基礎年金、遺族年金ともに支給されます。

遺族基礎年金を受け取れる方の要件(日本年金機構HPより)

国民年金(遺族基礎年金)

支給要件

被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。(ただし、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること。)

ただし平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡月の含する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

対象者

死亡した者によって生計を維持されていた、
(1)子のある配偶者 (2)子
子とは次の者に限ります
•18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
•20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

年金額(平成27年4月分から)

780,100円+子の加算
子の加算 第1子・第2子 各 224,500円
第3子以降   各  74,800円
•(注)子が遺族基礎年金を受給する場合の加算は第2子以降について行い、子1人あたりの年金額は、上記による年金額を子供の数で除した額。

遺族厚生年金を受け取れる方の要件(日本年金機構HPより)

厚生年金保険(遺族厚生年金)

支給要件

1. 被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
※ただし平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡月の含する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
2. 老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。
3. 1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したとき。

対象者

死亡した者によって生計を維持されていた、
★妻
★子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
★55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)
※子のある配偶者、子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限ります)は、遺族基礎年金も併せて受けられます。

年金額(平成27年4月分から)

報酬比例部分の年金額は、1の式によって算出した額となります。
なお、1の式によって算出した額が2の式によって算出した額を下回る場合には、2の式によって算出した額が報酬比例部分の年金額になります。

1 報酬比例部分の年金額(本来水準)

2 報酬比例部分の年金額(従前額保障)
(従前額保障とは、平成6年の水準で標準報酬を再評価し、年金額を計算したものです。)

平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額です。
平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額(賞与を含めた平均月収)です。
これらの計算にあたり、過去の標準報酬月額と標準賞与額には、最近の賃金水準や物価水準で再評価するために「再評価率」を乗じます。

※上記支給要件の1及び3に基づく遺族厚生年金では、被保険者期間が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。
※上記支給要件の2に基づく遺族厚生年金の場合、計算式の1000分の7.125及び1000分の5.481については、死亡した方の生年月日に応じて経過措置があります。

中高齢の加算について

次のいずれかに該当する妻が受ける遺族厚生年金(※)には、40歳から65歳になるまでの間、585,100円(年額)が加算されます。これを、中高齢の加算額といいます。
•夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻
•遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻(40歳に達した当時、子がいるため遺族基礎年金を受けていた妻に限る。)が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)ため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき。
※長期要件(老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている方が死亡したとき)の事由による遺族厚生年金の場合は、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年(中高齢者の期間短縮の特例などによって20年未満の被保険者期間で老齢厚生年金の受給資格期間を満たした人はその期間)以上の場合に限ります。

経過的寡婦加算について

次のいずれかに該当する場合に遺族厚生年金に加算されます。
•昭和31年4月1日以前生まれの妻に65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したとき(上記2の支給要件に基づく場合は、死亡した夫の厚生年金の被保険者期間が20年以上(または40歳以降に15年以上)ある場合に限ります)
•中高齢の加算がされていた昭和31年4月1日以前生まれの遺族厚生年金の受給権者である昭和31年4月1日以前生まれの妻が65歳に達したとき
経過的寡婦加算の額は、昭和61年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した場合の老齢基礎年金の額と合わせると、中高齢の加算の額と同額になるよう決められています。

注) 国民年金の第1号被保険者には、寡婦年金の給付が設けられています。

●要件および対象者 : 第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が25年以上である夫が老齢年金等を受けずに死亡した場合で、婚姻期間が10年以上の妻に60歳から64歳までの間、支給されます。

●年金額 : 夫が受けられたであろう老齢基礎年金額(第1号被保険者期間に係る額に限る。)の4分の3。

◆65歳以上の遺族厚生年金の受給権者が、自身の老齢厚生年金の受給権を有する場合
平成19年4月1日までは、原則、どちらを受けるか選択することとなっていましたが、平成16年の年金制度改正により、平成19年4月1日からは、自分自身が納めた保険料を年金額に反映させるため、65歳以上で遺族厚生年金と老齢厚生年金を受ける権利がある方は、老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額の支給が停止となります。

平成19年4月1日前に遺族厚生年金を受ける権利を有し、かつ、同日においてすでに65歳以上の方は、平成19年4月1日前と同様に、次の1から3のうち、いずれかの組合せを選択することになります。ただし、3は、遺族厚生年金の受給権者が、死亡した方の配偶者である場合に限ります。

※遺族厚生年金の受給権者が、老齢厚生年金、退職共済年金または遺族共済年金を受ける権利を有するときは、遺族厚生年金の支給額の決定のため、これらの年金の裁定の請求が必要です。

書類の作成

① 必要な書類を取得しよう

年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)
年金事務所でもらえます。

② 書類に必要事項を記入しよう

記入方法

死亡した人欄

基礎年金番号
亡くなった方の基礎年金番号を記入して下さい。

基礎年金番号は、以下の書類でご確認ください。
1.青色の年金手帳(PDF)(青色以外の年金手帳をお持ちの方は、以下の書類でご確認ください。)
2.基礎年金番号通知書(PDF)
3.国民年金保険料の口座振替額通知書
4.国民年金保険料の納付書、領収書
5.年金証書
6.各種通知書等(年金額改定通知書、年金振込通知書等)

生年月日
亡くなった方の生年月日を記入してください。

氏名
亡くなった方の氏名を記入して下さい。

請求者欄

基礎年金番号
遺族で給付される方の基礎年金番号を記入して下さい。

基礎年金番号は、以下の書類でご確認ください。
1.青色の年金手帳(PDF)(青色以外の年金手帳をお持ちの方は、以下の書類でご確認ください。)
2.基礎年金番号通知書(PDF)
3.国民年金保険料の口座振替額通知書
4.国民年金保険料の納付書、領収書
5.年金証書
6.各種通知書等(年金額改定通知書、年金振込通知書等)

生年月日
遺族で給付される方の生年月日を記入して下さい。

氏名・押印
遺族で給付される方の氏名を記入して下さい。
※請求書が自ら署名する場合は押印不要です。

続柄
死亡された方との続柄を記入して下さい。

請求者欄

基礎年金番号
遺族で給付される方の基礎年金番号を記入して下さい。

基礎年金番号は、以下の書類でご確認ください。
1.青色の年金手帳(PDF)(青色以外の年金手帳をお持ちの方は、以下の書類でご確認ください。)
2.基礎年金番号通知書(PDF)
3.国民年金保険料の口座振替額通知書
4.国民年金保険料の納付書、領収書
5.年金証書
6.各種通知書等(年金額改定通知書、年金振込通知書等)

生年月日
遺族で給付される方の生年月日を記入して下さい。

氏名・押印
遺族で給付される方の氏名を記入して下さい。
※請求書が自ら署名する場合は押印不要です。

続柄
死亡された方との続柄を記入して下さい。

請求者住所欄

住所の郵便番号
遺族で給付される方の郵便番号を記入して下さい。

住所
遺族で給付される方の住所、フリガナ(カタカナ)を記入して下さい。

支払機関欄

金融機関
遺族で給付される方の受取金融機関及びゆうちょ銀行の内容を記入して下さい。
※金融機関及びゆうちょ銀行の証明を受けて下さい。但し、預金通帳の原本を持参及び預金口座を明らかに出来るコピーを添付する場合は証明が不要です。

加算額の対象者または加給金の対象者の欄

生計を同じくしている子(18歳の年度末までの子、または障害等級が1級か2級の20歳未満の子)がいる場合のみ記入します。

要記入欄

「死亡した方の生年月日」、「住所」、「死亡年月日」などすべての項目に必ず記入もしくは選択(○)をしてください。

生命維持・同一証明欄

生計同一証明関係
遺族で給付される方の住所、氏名を記入して下さい。 請求者が自ら署名する場合は、押印は不要です。第三者が証明する場合は、証明者の押印が必要です。
また、(証明者)(証明する)のところに取り消し線を引いてください。

収入関係
請求される方の年収が850万未満なら「はい」を○して下さい。
※収入関係について生命維持があったことを証明する書類が必要になります。

履歴欄

事業所
亡くなった方の勤務していた事業所(会社)の所在地を記入して下さい。
※住所が詳しくわからない場合は都市区名まで記入して下さい。
※国民年金の方は住んでいた住所を記入して下さい。

勤務期間
亡くなった方の勤務期間または加入期間を記入して下さい。
※勤務期間や加入期間が分からない場合は年月または何年の春や夏までと記入して下さい。

申請・届け出

年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)の提出方法

事前準備

○故人と請求者、両方について必要なもの
・年金手帳
・年金証書・恩給証書(受給権あるものすべて)
・戸籍謄本(全部事項証明書)(死亡された日以降のもの)
・健康保険証

○その他必要なもの
・世帯全員の住民票(生計維持証明)
・住民票の除票
・死亡診断書のコピー
・所得証明書
・課税(非課税)証明書
・在学証明書または学生証等(義務教育終了前は不要)
・請求人の預金通帳または貯金通帳と印鑑(認印可)など

年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)の提出期限

遺族基礎年金、遺族厚生年金、遺族共済年金、寡婦年金は5年以内に請求しなければ時効になってしまいます。死亡一時金は2年以内に請求しないと時効になります。

年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)の提出者

給付対象の遺族

年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)の提出先

遺族基礎年金のみに該当する場合は、お住まいの市町村役場へ。それ以外の場合は最寄りの年金事務所。

年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)の提出にかかる費用

特になし

年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)の提出時の注意事項

年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)は死亡診断書または死亡検案書の手配をして(年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)は死亡診断書・死亡検案書と同じ用紙に記載されており、A3サイズ用紙の左半分が年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)、右半分が死亡診断書・死亡検案書となっています)から火葬許可申請書と同時に提出します。

年金は1人1年金が原則になりますので、遺族年金を受け取っている時に他の年金が受け取れる場合は、どちらかの年金を選択できますが、2つ以上の年金を受け取れる場合があります。(選択と併給と言います) 2つの年金を受け取れる場合は、年金受給選択申出書の提出が必要になります。