絵画骨董品の相続手続き

概要

■美術品や骨董品の鑑定の必要性

大多数の人の場合は、美術品や骨董品に関して電化製品やタンスなどと同じように、相続税を支払う必要がありません。 また、相続税の課税対象にならない数十万程度のものであれば、相続人同士の財産分与により自由に分配すれば良いでしょう。 美術品や骨董品の購入価格が数十万程度あれば『家財』扱いとなり相続税の計算が必要な場合でも心配いりません。

但し、相続人が複数で『美術品や骨董品の価値』に拘る人が1人でもいれば、その道の専門家に鑑定を受けて価値をはっきりさせる必要があります。

当然、鑑定を受けると言う事は専門家に依頼をするので費用がかかります。 美術品や骨董品の価値より鑑定費用の方が高くなったと言う事もあると思いますが、相続争いの要因の一つになるのであれば、予め鑑定をしてもらった方が得策かもしれません。鑑定を依頼する場合は、「相続のための鑑定です。」とはっきり鑑定業者に伝えましょう。
※当然、美術品や骨董品で争いがない場合は家財扱いで財産分与で決めればよいです。

■美術品や骨董品が価値のあるものだった場合の扱い

被相続人(故人)が、生前に高額な美術品や骨董品を購入していたり、所有する美術展などに出品をしていた場合は要注意です。 そのような場合は、ちゃんと鑑定人をつけて相続財産として考える必要があります。

当然、税務署としても生前のお金の流れや購入していた事実を突き止める可能性がありますので注意をして取り扱いをして下さい。

この場合、美術品や骨董品を売却して、その後に、相続税を納付する方法もあります。 但し、美術品や骨董品を売却した場合は譲渡所得になり所得税の課税対象になりますので、相続税対象者の方には2重課税になる恐れがあり、あまり得策ではない方法です。

その他、相続財産としてあまりにも高額な場合は、国や地方公共団体への寄付をする方法もございますので、相続税が高くなる場合は検討する余地があります。

よって、相続する美術品や骨董品が鑑定により高額であると判明したら、相続対策として、国や地方公共団体などが運営する美術館などに寄付をするという方法があります。遺贈寄付を扱う一般社団法人 全国レガシーギフト協会の活動などもご参考にされるとよいでしょう。