相続税の申告

概要

亡くなった方の残した財産が、相続税の非課税枠を超えていたら、10か月以内に相続税の申告書を作成し、税務署に提出しなければなりません。財産評価によって相続税の申告が必要であれば、税理士に相談することをおすすめします。

国税庁 – 相続税の申告の仕方

相続税の申告については専門的な内容が多く、法改正も頻繁に行われるため、特例等をうまく活用するためにも税理士に相談していただくのが最良ですが、バッチリ!相続では、あくまで「相続税がかかるかどうか」という視点を中心に最低限知っておきたい内容を確認してください。

故人が残した財産が、相続税の決まりに基づいていくらなのかを計算することを、財産評価といいます。

相続税には、財産がこの金額以下なら相続税はかからないという非課税枠(基礎控除額)があります。財産が基礎控除額を超えている場合には、相続税の申告や脳性が必要になりますが、これに満たなければ、相続税に関する手続きは一切必要ありません。

一般的には、故人の財産の大部分を占めるのは、自宅の土地・建物などの不動産と、預金や上場株式などの金融資産の2つです。金融資産は、原則的に亡くなった日の残高や時価がそのまま評価額になりますが、不動産は相続税特有の方法で評価するため、少し専門的な知識が必要です。

自宅などの土地については、一定の面積まで評価額が8割引きになる小規模宅地等の特例という決まりがあります。土地はお金に換えにくい財産なので、残された家族にとって必要度が高い場合には、相続税の負担が軽くなるよう様々な特例が設けられています。

相続財産別評価方法

土地 宅地 (路線価方式)路線価×面積
(倍率方式)固定資産税評価額×倍率
借地権 自用地の評価額×借地権割合
貸宅地 自用地の評価額×(1-借地権割合)
貸家 自用地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
建物 自宅 固定資産税評価額×1.0
貸家 固定資産税評価額×70%
手許現金 死亡時の残高
普通預金 死亡時の残高
定期預金 死亡時の残高+利息(源泉税は差し引く)
株式 上場株式 死亡日の終値
ただし、死亡月・その前月・その前々月を参考にすることも可能
非上場株式 議決権割合に応じ、原則的評価方式か特例的評価方式のどちらかで評価
投資信託 死亡日の時価
死亡保険金 非課税枠がある
死亡退職金 非課税枠がある
個人年金 一定の評価方法により評価する
ゴルフ会員権 取引価格×70%(預託金がない場合)
金現物 死亡日の小売価格
自家用車・絵画・家財 死亡日の時価
電話加入権 地域により異なります(参考:1500円)。

※土地の評価額について
まず、国税庁のホームページの評価倍率表で自宅の町名を探します。「路線」と書かれていたら路線価方式、「1.1」などの倍率が書かれていたら倍率方式で評価します。

国税庁 – 土地家屋の評価

※株式の評価額について
上場株式の場合は、取引所が公表している課税時期(死亡日)の最終価格によって評価します。課税時期が取引所の休日で、取引自体がないときには、課税時期にいちばん近い日の最終価格を使います。ただし、株価は変動が大きいことがあるため、「亡くなった月」「その前月」「その前々月」の「毎日の最終価格の平均額」を「課税時期の最終価格」と比較して、最も低い価額をつかうこともできます。

非上場株式の場合は、少し複雑で、相続や贈与などで株式を取得した株主が、その株式を発行した会社の経営支配力を持っている同族株主か、それ以外の株主等かの区分により、それぞれ原則的評価方式又は特例的な評価方式の配当還元方式により評価します。

国税庁 – 取引相場のない株式の評価

相続財産を評価して、故人の財産がいくらなのかがわかったら、次は相続税を計算してみましょう。相続税の計算は、相続財産の評価額を合計し、そこから債務、基礎控除額を差し引いた額で相続税がかかるかどうかが決まります。

書類の作成

① 必要な書類を取得しよう

相続税の申告の際には、下記の書類等をご用意ください。
・相続税の申告書

国税庁 – 相続税の申告の仕方

下記よりダウンロードができます。

国税庁 – 相続税の申告書

相続税の申告の際に相続税の申告書に添付していただく主な書類

② 書類に必要事項を記入しよう

下記の記入例を参考に申告書を作成してください。

国税庁 – 相続税の申告書(記載例)

申請・届け出

相続税の申告方法

事前準備

相続税の申告の際には、下記の書類等をご用意ください。
・相続税の申告書

相続税の申告の際に相続税の申告書に添付していただく主な書類

相続の相続税の申告期限(相続による事業承継の場合)

相続の開始があったことを知った日(通常は死亡日)の翌日から10か月以内

相続税の申告者

被相続人から相続または遺贈により財産をもらった人、もしくは、被相続人から相続時精算課税制度などにより、生前贈与で財産をもらった人

相続税の申告先

被相続人の住所地の所轄税務署または金融機関の窓口
(所轄の税務署を調べるには >> 国税庁ウェブサイト – 国税局の所在地及び管轄区域

相続税の申告時の注意事項

相続税は脳期限までに、現金で、かつ、一括で納めることになっていますのでご注意ください。1日でも納期限を過ぎてしまうと、本来払うべき相続税に加え、利息である延滞税を払う義務が生じます。また、遺産の大半が土地や建物などの不動産が占めているなど、相続税を現金一括で納めるのが難しい場合には、例外的に分割払いの延納や物で払う物納という納税方法が認められる場合もあります。

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