概要
亡くなった人でも、死亡した年に収入を得るなどして所得があれば所得税がかかります。しかし故人は自分で確定申告をすることができませんから、相続人が変わりに確定申告をします。故人の所得税の申告については、一般の確定申告と異なり死亡後4ヶ月以内に行います。これを準確定申告といいます。
申告書類や記載方法は、相続人や包括受遺者全員の氏名を記載した「付表」が必要な点以外は、通常の確定申告とほぼ同じです。
準確定申告が必要な人の代表例
◆個人事業(自営業)を行っていた人
◆給与所得が2,000万円を超えている人
◆給与から所得税を源泉徴収をしていなかった人
◆不動産などの資産を売却した人
◆2カ所以上の会社から、給与をもらっていた人
◆医療費として高額な支払いをしていて医療費控除が受けられる人
◆同族会社の役員等で、会社から貸付金利子や賃借料を受取っていた人
所得が公的年金しかなかった場合、かつ公的年金等による収入が400万以下で、ほかの所得も20万円しかしかない場合、確定申告の必要はありません。年金の源泉徴収票は、死亡届を提出した家族宛に自動的に送付されます。
準確定申告の手続きと納税は相続人が行います。相続人が2名以上いる場合は連署で申告するか、他の相続人の名前を付記して相続人の一人が単独で申告することも可能です。 たたし、その場合は他の相続人の承諾が必要となります。
準確定申告は相続人が故人の亡くなった際の納税地の税務署に対して行います。
また、準確定申告で所得税の納税をしなくてはならなくなった場合、申告期限までに現金で納税する必要があります。相続財産に十分な預金等があれば問題ありませんが、不動産や株式など換価に時間がかかる場合は相続人が準備する必要も出てきます。
相続税の申告期限(故人の死亡を知ってから10ヶ月以内)と併せて現金がいくら必要になるかなどの財産調査は早めに行っておきましょう。
書類の作成
① 必要な書類を取得しよう
準確定申告の際には、下記の書類等を用意してください。
・確定申告書 第1表
・確定申告書 第2表
・確定申告書 付表
・給与や年金の源泉徴収票
・医療費控除のための領収書
・生命保険・損害保険の控除証明書
・その他通常の確定申告の場合と同様な添付書類
※給与所得者や年金受給者であれば申告書A様式、不動産事業や個人事業を行っていた人であれば申告書B様式となります。
② 書類に必要事項を記入しよう
申請・届け出
所得税の準確定申告方法
事前準備
準確定申告の際には、下記の書類等を用意してください。
・確定申告書 第1表
・確定申告書 第2表
・確定申告書 付表
・給与や年金の源泉徴収票
・医療費控除のための領収書
・生命保険・損害保険の控除証明書
・その他通常の確定申告の場合と同様な添付書類
※給与所得者や年金受給者であれば申告書A様式、不動産事業や個人事業を行っていた人であれば申告書B様式となります。
相続の所得税の準確定申告期限
相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内
所得税の準確定申告者
相続人や包括受遺者
所得税の準確定申告先
亡くなった方の納税地(住所地)の所轄税務署
所得税の準確定申告にかかる費用
なし
所得税の準確定申告時の注意事項
通常の確定申告とは期限が異なりますので注意が必要です。 確定申告書の様式は、給与所得者や年金受給者であれば申告書A様式、不動産事業や個人事業を行っていた人であれば申告書B様式となりますので間違いないようにしましょう。