親が死んだら実家はどうする?資産を有効活用する法
相続するとなったとき、空き家になった実家はどうするか?
多くのメディアが注目している問題だ。総務省の調べによると、全国で子と同居する高齢者はわずか7%で、子供が住んでいる地域が片道1時間以上の場所という割合は36%にものぼる。
つまりほとんどの親子は離れて暮らしており、人口の減少が著しい県ほどこの傾向は顕著になる。
実家問題の具体策をあげれば4つある。一つずつ検証してみよう。
一つは空き家にしておくことだが、これに関しては古くなった家の解体費用がかかることが問題となる。維持費と管理費もバカにならない。更地にしてしまうと、一気に税の減免が使えなくなり固定資産税が増える(実家を相続人が継ぎ、そのまま住んでいれば税金が安く済む特例がある。この場合は将来的な判断は据え置きにして、現状の管理をNPO法人や自治会サービスに委託することをすすめる。
二つめは売却すること。これは売れる物件なのかが焦点になる。また、売る売らないで親族間で揉めることがあるため、両親が存命中に敷地や権利関係を信託銀行、不動産会社などに相談することよい。
そこで誰が相続するかを決めておこう。
三つめは資産活用、つまり住んでいる家を他人に貸すことだ。こうすればだれが家を継ぐかでもめることなくお金が入ってくるメリットがある。最近ではJTIをはじめ、高齢者の住宅を子育て中の若い世代に賃貸する取り組みを支える事業も盛んである。持家のある方は、チャレンジしてみてはいかがだろうか。
ただ、これと似たような取り組みに、更地を賃貸住宅にして集客する方法があるが、これはアパート経営に携わったことのない方が行うには余りにリスクが大きい試みなので、うかつに手を出さない方がよい。
最後は同じ資産活用でも建物を壊して、別の事に利用することだ。
たとえば賃貸併用住宅を建て、親子リレーでローンを組み、親が亡くなった後は、両親が住んでいた部屋を貸すといった収益を生む賃貸住宅ビジネスの展開である。
親が亡くなった後で、実家をどうしようかと慌てても、なかなか決まらない。
放置しておくと選択肢も減り、建物の資産価値も減る。親が生存中に不動産や相続に強い税理士などの専門家に相談することを強く勧める。